「ごっ魂ぜ」vol.2 好評発売中

かつて巨大掲示板にアクメ漱石と他称された存在がいた。

例えば、
家系図←いや、「中出しアクメセックストーナメント表」だよね』
が代表作として挙げられる。その他引用するのも憚れるような膨大なアクメ作品のすべてが単一の作者によるものかは定かではないが、いずれにせよ「名詞」というものは物事を婉曲的に表現するにはとても便利である。ある連続する動作の一瞬のみを切り取ったり、その連続する集合体に題名をつけるようなものである。だからその名詞の生々しい動作については実に巧妙に覆い隠されている。

ご多分に漏れず少子化対策という名詞もその一つであることに疑いはない。ソフトなアクメ漱石風に申し上げるなら少子化対策というのは子作り対策であり、中出し大作戦であり、国民全員参加!男はマンコに溺れ、女はチンポを貪り、中出しセックスしまくって子供増やそうぜ大作戦に他ならないのである。子供を作る手段としては他にも不妊治療が挙げられるがまだまだ数は少ない上にアクメ漱石化したところで大して面白みがないので無視する。要は中出しセックスの奨励なわけだが、一方でこの国はある世代から性を殊更に遠ざけようと躍起になっている。

先日開かれた法制審議会では今年答申する性犯罪に関する刑法の改正案の試案がまとめられた。そこには新たにグルーミング罪なるものを新設するという。簡単にいえばわいせつ目的で16歳未満の児童に近づくこと自体を違法化するものである。メッセージを送ったり、会う約束を取り付けるだけでも犯罪となりうる。パターナリズムの精神に則りペド野郎を思想犯扱いしその凶行を未然に防ぐというわけである。また民間レベルでもこうしたグルーミング対策が始まっており、未就学児からの積極的な性教育によって親であっても水着で隠れる場所(プライベートゾーン)は許可なく触らせてはいけないと教えるようになっている。

このようにとにかく子供と性の距離をとろうとしているが、反対に成人になればそうした保護からは解放されむしろ積極的に「国民全員参加!男はマンコに溺れ、女はチンポを貪り、中出しセックスしまくって子供増やそうぜ大作戦」に様々な支援策という名の参加景品をエサに強制参加させられる。北極から南極である。パターナリズムと再生産的未来主義は意外にも相性が悪いのかもしれない。スリングショットを限界まで引っ張り、子供から性を遠ざけたと思ったら成人した次の瞬間、伸び切ったゴムはついぞ放たれ尋常ならざる速度で再生産的未来主義の極地へと成人したばかりの人間を吹き飛ばす。さてこのような状態で果たして適齢期の男女は出会い、コミュニケーションをし、仲を深め、愛を深め、この大作戦に素晴らしい成果を出すことができるのだろうか。

答えは聞くまでもない。子供の性を抑圧し、パターナリズムの鳥籠に押し込める一方で成人した途端に性を通じて再生産を促される現代社会のSDGsではない真の持続可能性について本気で考える時、小児性愛陰謀論なる新時代の理論の幕が上がる。

続きは「ごっ魂ぜ」vol.2で。

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