今月はありがたいことにお金を増やすことができた。大変ありがたい。時給1000円で24時間30日働き続けてもまったく足りないほどのお金が増えても嬉しさよりも安堵感が先行するし罪悪感もある。それでいて日本の貧困のことを考えていたりする。今週オープンしたばかりの日本橋高島屋に行くと日本に貧困があることなんて全く知らないんじゃないかみたいな人がたくさんいて社会に対する諦念を感じたし、日曜日に六本木ヒルズとミッドタウンに行ったら芝生の上で少し年齢高めな夫婦と幼児の3人家族があちこちで楽しそうに過ごしているのを見ると無差別通り魔がこの辺りで発生しないのはそもそもそんな犯罪を犯す人たちは高層ビルが立ち並ぶ一等地に芝生の広場とマルシェやフェスが開催されていることを知らないからなんだんろうなといろいろ思いを巡らしまた厭世的になる。
そして自分も漏れなくそいつらの仲間なんだろう。運よく貧困じゃなかっただけなんだ。運でしかない。運といっても幸運とかそういう意味ではなく単に確率的な問題だ。前世の行いなんかあるわけがない。金持ちの子供に生まれた奴が自分は前世での行いがよかったからなんて言うものなら血が通ってないとしか思えない。結局まともに成長できるのは自分に理由があるわけでもなく単に出自によるものなんだよ。子供の頃から公平じゃないんだよ。それをさも努力の結果とすり替え努力を社会の成員全体に押し付けているんだ。そしてこの世界、特に資本主義の経済は自由競争の市場経済のように見えるがそれは間違いだ。よくよく見るとただの馴れ合いだ。出身の中高一貫校や大学が同じ者同士が仲良しこよしだ。同業同士がほんとに競争しているように見えるか？ありえない。真に競争させられているのは労働者だけだ。神経を擦り減らし肉体を酷使し疲弊していく。取り換え可能なパーツなんだよ。みんな。経済の成長率が資本の成長率に勝てない今、何のために日々を努力しているのか努力教信者に問いたい。なぜだ？生活のためか？夢を叶えるためか？
僕にも夢がないわけではない。ものすごく可愛い美少女と完全にお金や学歴抜きで相思相愛の関係になってイチャラブセックスがしたい。でもこれって努力でどうにかなるものじゃないだろ？成人を迎えた一般人男性の努力の方向はお金を稼ぐぐらいしかないんだよ。あとは筋トレか？俺の中の理想の美少女は筋肉でつられるような子でもなければ高級外車や時計、勤め先や学歴に心を動かされるような子でもないんだよ。そういうのは一切関係ない。言うなればエロ漫画のような関係だ。どこからともなくカップルになっている。知らず知らずのうちに相思相愛になって気づいたらイチャラブセックスが始まっている。物語の連続性は要らない。美味しいところだけを頂きたい。でも実際こんなの無理だし努力でどうにかなるものでもない。社会人的な努力のベクトルとは方向どころか次元が違うんだよ。
この社会の上部組織は馴れ合い。中部組織は努力の戦い。下部組織は一生這い上がれない賽の河原。さてどうするよ皆さん。中部構造にいる我々は何もしなければ下部構造に転落するが何かしたところで何かあるわけではない。そうだろ？今まで何かあったか？何もないだろ？あっ。でも家族がいればまた違うのかもしれない。ミッドタウンの芝生を思い出せ。そうだ。あれが中部構造のエデンだ。努力の実を齧らない者は主の怒りを買う。汝、とわに齧れ。主への忠心をその食べっぷりで見せつけろ。主はたらふく食べた者を祝福される。週に5日ないし6日その実を齧り続けたものは1日だけエデンに立ち入ることを許される。そういつかみたような、いや7日前に見たミッドタウンの芝生のエデンにいたアダムとイブとカインのように。
